若者の田舎生活に抱える不安 Part1

これまでに地方へ移住する若者が増加している理由についてご説明しました。
都会では味わえない経験や癒やしを求める人が多い一方で、若者を求める地方の政策などをきっかけに、いわゆる「田舎ブーム」が起こっています。

しかし、若者の地方移住が増える一方で、田舎暮らしを初めて間もなく都会へ帰ってしまう若者も少なくありません。
今回は若者の地方移住における失敗や落とし穴についてご説明します。

・「思っていたのと違う…」多くの方が理想とのギャップを感じる理由
前回までにご紹介したように、多くの若者は閑静で自然豊かな環境を求めて移住してくることがわかりました。

しかし、子育てや脱サラなどを機に「田舎で新生活を始めよう!」という方が田舎にやってきて感じることは、「これまでの生活よりも不便になった」ということです。
当然ながら田舎には娯楽が少なく、同年代の子どもが少なかったり、田舎で育った子どもが進学や就職を機に都会へ出ていくことが多いのも事実。
こういった事情から実際に移住を行ったものの、逆に田舎暮らしに飽きてしまう、疲れてしまうという方も多いのが現状となっています。

地方へ移住する前に、これまでの生活とどう変わってしまうのかというイメージを持つことが大切です。

古民家の保全を行う「日本民家再生協会」とは

日本の住文化の歴史は伝統的な木造建築から、現在までにさまざまな形で変遷してきました。
日本は四季があるため、さまざまな気候や天候にも対応できるようにさまざまな工夫が凝らされており、畳や縁側といった日本ならではの特徴も見られます。
しかし、現在では西洋の技術を用いた洋風建築が主となっており、日本古来からの様相を保った建造物は姿を消しつつあります。

こういった流れの中で、ユネスコの世界遺産に登録された、伝統的な合掌造りで作られた古民家が立ち並ぶ岐阜県白川郷などをはじめ、全国的にも文化の保全や再生活動に取り組む事業も活発になっています。
これら活動を主導するのが日本民家再生協会(JMRA)です。
日本民家再生協会は古民家の持つ魅力を学び伝え、古民家の再生事業や移譲などを補助する活動を行っています。

今回は注目されつつある古民家の魅力とそれらを保護する活動について見ていきましょう。

・古民家は日本の文化的財産
古民家とは、実際に人が暮らしていた古い民家のことを指します。
具体的な古さなどは定義されていないものの、伝統工法で作られた家のことを古民家と呼ぶことが多いようです。
伝統工法で建てられた家はそのものが日本の技術や歴史を感じられる財産であり、次代へと受け継いでいくべき建造物といえるでしょう。

・民家バンク
日本民家再生協会が実施する「民家バンク」では民家を手放したいという人と、民家を譲り受けたいという方の架け橋となる事業のことです。
「移築再生」と呼ばれる民家の移動と再生作業が必要な物件であることが前提とはなりますが、民家自体は無償で引き取ることが可能で民家に移り住みたい方へと民家が受け継がれる仕組みとなっています。

なぜ今「古民家の商業利用」が注目されるのか

古民家が多く現存する千葉県では、利用されなくなった古民家を再生して商業利用されることが非常に多くなっています。
「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている香取市佐原地区では飲食店や宿泊施設、更には古民家博物館として利用されるケースが見られ、簡単に古民家の雰囲気を味わうことが可能です。

しかし、なぜ古民家が商業施設として利用され始めているのでしょうか?
今回は、古民家の商業利用に焦点を当てて古民家の魅力に触れてみたいと思います。

・古民家の本質的価値が見直されている
古民家は文字通り古くなった民家を指すのですが、伝統的な建築様式で建てられていて文化的価値を持っていたり、古い建材が歴史を感じさせる様相がインテリアとして非常に人気となってきました。
これらの古民家が活用されず壊されている現状に警鐘を鳴らすかのように古民家の価値が見直され、再生利用が活発となっています。

特に商業利用であれば実際に古民家の購入を行うこと無く、訪れるだけで古民家に触れることが可能なため商業利用が活発となっているのではないでしょうか。

・古民家事業に対して補助金が出る
こういった古民家保全の潮流を受け、自治体によっては古民家の再生に補助金を出すところが見られるようになりました。
古民家が多く現存する土地は多くの場合、過疎が進んだ地区であることが多く地方創生を掲げる政府の方針とも古民家事業によって宿泊客などを呼び込むなどの目的が一致し、より注目を浴びることとなっています。

失われた古民家も蘇る「部分再生・古材利用」とは

古民家再生で用いられる手法の主なものはこれまでにご紹介した「現地再生」と「移築再生」の二つです。
これらの他にも、古民家で使われていた建材を用いた「古材利用」や「部分再生」と呼ばれる手法も近年人気となっています。
市場でも古材を扱う専門業者ができるほど人気があり、一時期古民家カフェなども話題となりました。

古民家の再生という意味では逸れるかもしれませんが、これらの手法も古民家の伝統を引き継ぐ方法のひとつとして数えられています。

・部分再生、古材利用とは
部分再生や古材利用では、古民家で使われていた建材を家の一部や家具などに用いる手法です。
部分再生では部屋単位で個剤を使用して新しい建材と組み合わせつつ古民家の様相を再現します。
新築の住居や古民家を所持していなくても行えるため、住居の購入や移動はできないけど古民家の良さを味わいたいという方にはうってつけの方法です。

古材利用は厳密には再生作業ではありませんが、近年非常に人気のある古民家再現手法のひとつ。
古材を部屋の内装などに利用して古民家風に仕上げる手法を指します。
他の手法と比べ比較的簡単に行えるため、カフェなどの店舗でも採用されることが多いのが特徴です。

このように、既に失われてしまった古民家も部分的に利用することで伝統の感じられる一画を再現することが可能となっています。

古民家再生の手法についての記事は以上となります。
日本の伝統・財産を次の世代に受け継ぐために今後もより古民家再生が注目されるのではないでしょうか。

古民家の再生手法「移築再生」とは

前回は古民家再生で最もメジャーである現地再生についてお伝えしました。
(伝統というのはその土地自体に根付いたものであることが多く、建物や人の暮らしの歴史などが覗く事ができそうです。)

今回はこれから古民家で暮らそうという方に適している「移築再生」と呼ばれる手法について解説します。

・移築再生
現存する古民家を買い取ったものの、現地での運用が不可能な場合には移動が必要となります。
そういった際に、一度古民家を解体して別の土地で立て直す手法が移築再生と呼ばれるものです。
また、次に紹介する古材再生と組み合わせることも多くこれから古民家を楽しみたいという方には広く活用できる選択肢となっています。

多くの場合古民家を手放される方は古くなって利用が難しくなり、民家バンクなどを利用して民家のみの譲渡または売買となっているので、土地の購入までは出来ないもしくは売り主が土地まで手放す気はなく、その土地での現地再生ができずに移築再生を選択することが多いのではないでしょうか。

移築再生は一度解体を行うため、厳密には元の古民家のままとは言えませんが、古民家で利用されていた建材をそのまま用いて組み直すため古民家ならではの暖かさや伝統を感じ取ることは十分可能です。
ただし、運搬や解体など現地再生よりも工程が増えるため少し費用を高くなってしまいます。

古民家の再生手法「現地再生」とは

 

古民家には日本の伝統技術や人々が暮らしてきた歴史が詰まっています。
これらは日本の住文化の結晶であり、守られるべき財産です。
近年は古民家の多く残る地方への移住が増えている背景もあり、古民家が注目され保全活動が活発に行われるようになってきました。
古民家の持つ魅力に気づき実際に暮らしたいという人も増え、古民家カフェなども一時期ブームとなりましたよね。

古民家は建築から長い年月を経ているため、多くの場合は譲れ受けた段階では傷んでいて再生作業が必要です。
今回から数記事に渡り、古民家はどのように再生が行われているのかについてお伝えします。

・現地再生
現在古民家が立っている土地で、場所を移動せずに基礎から屋根まですべて再生したり傷んだ部分などを再生する作業が現地再生と呼ばれる手法です。
可能な限り使える建材をすべて用いることで当時の雰囲気を保ったまま、現代での暮らしにも耐えうる程度の改修を行います。

古民家再生で最も多い手法です。
土地ごと古民家を購入した人や、既に居住している人が修復を行うために現地再生が選ばれています。

伝統を残しつつ、現代の暮らしで必要とされる採光などの機能を加えられることも多く、実際に古民家で暮らす上では必要となる作業と言えるでしょう。

増加する若者の地方移住。若者にとっての田舎とは Part2

前回は増加する若者の地方移住についてご説明しました。
田舎と都会の違いに注目すると、都会の物質的豊かさでは経験のできない、田舎の持つ精神的な豊かさを求めて移住する方が多いことがわかりましたね。

今回も引き続き、田舎に興味を持つ若者が増えている理由についてご説明します。

・田舎は子育てに適した環境?
田舎といえば自然豊かな環境が真っ先に連想されるのではないでしょうか。
特に都会での生活をよく知る若者は、待機児童問題やいじめ、汚れた空気や騒音など都会ならではの子育てにおける問題点などにも目を向ける方が多いです。
そのため、子育てに適した環境として田舎に注目する若い夫婦や女性が増加している最大の理由と言われています。

・政府の地方創生政策の一環として、補助金や特典のある自治体が多い
地方創生の最大の課題となるのは、やはりどのように人を田舎へ集めるかということが挙げられます。
特に若年人口の少ない地方を活性化するためには、なんとしても注目を集め地方を訪れる若者を増やすことが前提と考えることが多いです。

そのため移住者にとって魅力的な特典や補助金を出す自治体も多く、中には田舎での新規事業を始める人に向けた補助制度や田舎での就職支援を設けている自治体もあるため、脱サラや身一つで田舎へ移住する方にも多く利用されています。

増加する若者の地方移住。若者にとっての田舎とはPart1

前回は「なぜ地方へ移住する人が増えているのか」についてご説明しました。
「田舎」が注目される理由には、人々の暮らしが豊かになりすぎた反動だということが見えてきましたね。
こういった事情を背景に進学や就職を機に都会に出た人などが田舎に戻ってくるケースも多いです。

現在では、20代など若年層で田舎暮らしに憧れる人も増えています。
都会で生まれ都会で育った若者にとって田舎暮らしの魅力とは何なのでしょうか?
今回は田舎へ移住する若者にスポットを当ててみたいと思います。

・都会人だからこそ田舎に魅了される
都会で生まれ育った人にとっては、田舎での生活というのは非常に貴重なものです。
決して田舎暮らしは華やかなものではないのですが、都会での生活しか知らない人にとっては良くも悪くも田舎での生活は新鮮に感じられるのかもしれません。

特に、近年では労働での問題や人付き合いに疲れている若者も増えているため、自然や人の暖かさに触れられる田舎へ癒やしを求めてやってくる方も増えています。
リモートワークなど働き方も多様化しているので身一つでやって来る方も多いです。

また、それとは反対に田舎では若者が都会へと出ていくことが多く、出生率も低いため慢性的に若年層が少ない状況が続いています。
そのため、若者の移住者を歓迎する地方も多く、必要とされる充足感などから地方への移住を決めたという方も。

 

田舎と都会、どちらの暮らし方にも魅力はありますが、都会で育った若者にとっての田舎の魅力は物質的な豊かさや忙しさの中では感じられないものが多いですね。
都会中心の暮らしの中で薄れつつある昔ながらの経験やコミュニケーションが今後も注目されていくのではないでしょうか。

なぜ今、田舎へ移住する人が増えている?

近年は地方創生政策の影響もあって田舎暮らしが注目され始めています。
実際に都会から田舎へと移住する人の数も増え、メディアなどでも田舎暮らしが取り上げられることも珍しくなくなってきました。

なぜ今、田舎暮らしを始める人が増えているのでしょうか?
昔から「老後は田舎で暮らしたい」「都会暮らしは疲れる」といった声はよく聞きますが、今だからこそ目を向けるべき田舎の魅力がそこにはあります!

・豊かな自然に触れることができる
都市部では開発が進み、徐々に緑が減っていることも地方移住の増加理由の一つではないでしょうか。
田舎には都市部では見られないような自然環境や、渋滞や騒音といった都会ならではの悩みもありません。
都市化が進めば進むほど、田舎では当たり前の自然や暮らし方といったものが相対的に魅力的に見えてしまいますよね。

・田舎ならではのコミュニケーション
都会には多くの人が集まり、見ず知らずの人に対して接点を持つ機会は非常に少ないですよね。
田舎では狭いコミュニティの中で人々が自足的に助け合い生活をしていること多く、ご近所付き合いが生活の中で大きな役割を持っています。
外から見るとこの小さなコミュニティが反対に閉鎖的だと言われることもありますが、実際に輪の中に入ってしまえば人と人のつながりや暖かさが感じられる関係になるはず。
都会ではなかなか経験できない暮らし方のひとつと言えるのではないでしょうか。

工事請負契約のポイント

注文住宅を発注する場合には工事会社と工事請負契約を結ぶことになります。工事請負契約は施主と工事会社で直接結ぶ契約になるため、契約を交わしてしまうと後で問題が発生した場合であっても契約書に明記がされていないと契約を解消する事が難しく、最悪の場合には希望通りの住宅が手に入らないのに代金だけを支払わなければいけなくなる事になるので契約時に十分な注意が必要です。

契約書を確認する際には希望通りの工事内容になっているかを十分に確認する事が大切です。契約書の記載の中には分かりにくい表現が有る場合も有りますが、その場合にはその内容について納得できるまで説明を求めるとともに、必要に応じて表現を変えさせるなどして分かりやすい物に表現を変えてもらうことも重要です。

また、見積もり通りの金額であるかについても十分にチェックが必要です。金額については契約書に記載されている物が全てになるため、万が一説明を受けた金額と契約書の金額が異なっている場合にはしっかりと指摘し訂正させることが大切です。営業マンの中には契約を急がせるために内容の説明を省略しようとする場合もありますが、必ず確認を行う事が必要です。

また、疑問点や確認点のチェックは確実に行うことが必要です。住宅の売買に於いては書面にて内容を説明し両者が記名捺印する事が義務付けられているので、内容を確実に確認する事が大切です。