千葉県東金市 W様
家族の絆に重きをおいて
考え抜かれた最先端の和風建築
曳き家をはさんでの解体と新築。母屋は民家再生でなく解体・新築とし、離れとして使用している平屋は解体せずに曳き屋によって移動する。
工期 平成17年11月
延べ面積 208.68平方メートル
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昨年夏、その話は突然舞い降りてきました。話の主は東金市で代々住み継いでこられた古い家柄のW氏。当時W氏は昔ながらの古い民家に住んでおられた。しかし、このまま住み続けるには現代の生活様式や感覚に当てはめて考えると、間取りや機能、設備関係等様々なところに問題というか気になる点が幾つもあるのが分かった、といいます。さらにこれから先を考えた時、息子や娘、孫やその先の子孫にこの民家は住み継がれていくことが出来るだろうか?そんなことが可能だろうか?と疑問と不安に襲われたという。この大きなテーマに正しく解答を出すには、自分独りや家族揃ってでも難しく、そこで今するべき事は、と考えた時、答えは専門家に相談することだったのです。
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当時住まわれていたのが古民家ということで、インターネットで検索し、当社のホームページに辿り着かれ、話が始まりました。当初、民家再生を念頭に話が進みました。現況写真を撮影し、記録して調査をし、再生目的を明確にしていきながら計画を進めていきました。しかし、打ち合わせしていくと、住まわれるのはW氏のご両親、お子さま2人、W氏自身と奥様となかなかの大所帯。ここにそれぞれの居室を設け、さらに客間、共有スペースなどをとなると無理が生じることがわかってきました。 また、建物の相があまり良くないということで建物を約90度回転させなければならないとのこと。そうした諸々を考慮して、母屋は民家再生でなく解体・新築とし、離れとして使用している平屋は解体せずに曳き屋によって移動する話となりました。
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そうして出来上がった建物のコンセプトは
建物の相を十分考慮した平面計画を立てる(水を使用する台所や人が寝る各部屋など)
新築部と離れの連携(動線)や、玄関(お客様を考慮)と裏口(主に家族の者が使用)、勝手口(主に奥様が使用)をはっきり区別すること、開けた庭と建物を有機的に繋ぐ。全てが中廊下や広縁と密接な関係にあるように。
離れが純和風のためもあるが、屋根は化粧、和室や広縁のある本格的な造りで和風を貫く。
共有スペースを開放して一体化を図り、個人スペースと明確に線を引く。個人スペースは明るく広々したものにする
これからの将来を考え、足下(基礎)から外部(屋根や外壁)の仕上げ、内部造作の材料や見せ方を十分検討(強度や耐久性・安全性、流行など)
というようなものです。こうした考えに沿って解体、曳き屋、新築と工事が進むこととなりました。